浮遊する霊魂
仲間の女性からこんな話を聞いた。
『先生、最近また出会ったちゃった!』と
『今度は何?』と聞き返すと!
夕刻、息子と二人で帰宅途中、道を歩いていると交差点で年配のご婦人から声をかけられたそうです。
そのご婦人は、『○○町は何方でしたか?ご存知ならば…』と?
すると彼女は『○○町ならこの先ですので一緒に参りましょう』と!
そして3人で○○町方面に歩いていきました。
道ながら色々と話をしながら進んでいくと、ご婦人は『数年ぶりに友人宅に伺おうと思ってここ迄来たのですか、どうしても友人の家が見つからないのです…』
彼女は、ご婦人に友人の氏名や家の場所、電話番号等を問いましたが、返事のあったのはその家のある地域の名称を述べるだけで他のことは余り話したがらないので、三人でご婦人の友人宅を探しながら歩いていきました。
道を歩いていると交番が目に付いたので彼女は『お巡りさんに聞いてみましょうか?』と尋ねると!
『川まで行けば大丈夫よ』と言うもので、そのまま交番を過ぎ去り進んでいった。
彼女はご婦人の手を取ってゆっくりと歩いていった。
そして川沿いの道でご婦人が『もう大丈夫、後は一人で行けますのでありがとうございました』と言うと、そのまま一人で歩いていきました。
二人は心配になりながらも、後ろ姿を視界から見えなくなるまで追いながら、帰路につきました。
息子が母親に言いました『あのお婆さん向こうに行ったんでしょう?』と
母親は息子に言いました。
『こういう事があるのよ!
お婆さんの手冷たかった』と…